きみの声を聞かせて

「夏帆は？夏帆は今の学校を辞めたいと言っているのか？



感情的になるのは分かるけど、これは夏帆の問題なんだから退学させるにしても



転入するためにいろいろしなければならなくなるし、



新しい環境では話すことができない状態から始めなければいけない。



だからこれはきちんと俺たちが勝手にするんじゃなくて、



……夏帆自身に選択させないと」



お父さん……。



お母さんの話を聞きながらも、ちゃんとわたしの希望を聞いてくれようとしてる。



お父さんだって喋れなくなったわたしの話を聞いてびっくりしてて動揺してるはずなのに。



お父さん、お母さん。



こんなにわたしのことを１番に考えてくれてるのに、どうしてここまでわたしは二人を頼らなかったんだろう。



もっと前に話していればこの状況になるまでに解決できたかもしれないのに。



本当にごめんなさい。