きみの声を聞かせて



「行くか」と言う翔矢くんの言葉に、まだ帰りたくない気持ちを心にありながらも明日も学校だししぶしぶ頷いた。



帰り道も片手は翔矢くんと手を繋いで、もう片方の手にはスマホを持っていっぱいお話をした。



冬休みのこと



部活のこと



今度はどこに遊びに行くか



とか、翔矢くんはいつもの調子だけど、わたしは冬休みにわくわくしながらいっぱいスマホに書いて翔矢くんに伝えた。



そして最寄駅に着いて、電車を降りるといつものようにわたしの家まで送ってくれることになって



家までの道を翔矢くんは自転車を押しながら一緒に歩いていると、前から歩いてくる近所のおばさんが見えた。



わたしはそのおばさんと目があって、ペコっと軽く頭を下げると、「あら、夏帆ちゃん!お帰りなさーい!」と言われておばさんはその場に立ち止まった。



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