きみの声を聞かせて



「そう!バスケットボールだったわね!



試合にももう出れた?」



おばさんはあれ?という表情を浮かべながらも話を続けてくる。



わたしは結局スマホをポケットから取り出して((はい!先月、1年生大会に出ました!))と打って見せた。



するとおばさんはわたしがスマホを見せてきたことにびっくりしていて



「……夏帆ちゃん、さっきから気になってたけどもしかして……喋れない?」



と聞きにくそうな顔をしながらも聞いてきた。



わたしはその言葉に間を置いてからコクンと頷いた。



「えっ……あら、そうなの?なんか立ち入ったこと聞いちゃってごめんなさいね。



おばさん、まだ用事あるから……」



と言うと頭を軽く下げてまた歩いて行ってしまった。



< 263 / 308 >

この作品をシェア

pagetop