Kiss of a shock ~涙と~
「ごめんな、万理香」
父は、微笑んで万理香の頭を撫でた。
その笑顔は見たこともないほど、穏やかで優しげだった。
万理香が6歳か7歳の頃だ。
もう、何となく分かっていた。
不動産業をしていた父の事業がうまくいっていないということ。
父と母が何かを考えて、何かを決意したということ。
その夜、それを現実のものにしようとしている―
それに、図らずも気付いてしまったこと。