Kiss of a shock ~涙と~
父には言わずに、万理香は微笑み返した。


「良いよ・・・。」


大丈夫だよ。


一緒だから、怖くない。


父は万理香を抱き上げて、それからゆっくりと階段を降りていく。


一歩一歩、踏みしめるように。


リビングのソファーの上で、母はすでに横になっていた。


「眠っちゃったの?」


そう問うと、父は小さく凍えたように震えて頷いた。


「ああ、そうだよ。」


母の背中を見る形で、万理香も横になった。


絨毯の感覚を頬に感じる。
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