Kiss of a shock ~涙と~
半裸の女が寝息を立てている姿を見つけて、まるで今、思い出したように健二が女に歩み寄る。


「ねぇ、起きてくれる?」


まだ目が冷め切らない様子の女を上から見下ろして言う。


「・・・ん。」


さっきまでの甘い時間のことなど、健二の中には僅かも残っていない。


それが分かる。


別に、この女に対してだけじゃない。


どの女にもそうだから。


だから、「ん?」と言うと続けて言った。


「ん、じゃなくて早く出てってくれるかな。邪魔だから。」


陣内は思わず失笑して、空いた一人がけのソファーに腰を下ろした。
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