Kiss of a shock ~涙と~
走り去るタクシーを見送りながら、陣内はひとつため息をついた。


この後の話はいつも、自分の役目だ。


健二は、彼女を気に入らなかった。


もう、これで彼女を抱くことも家に呼ぶこともないだろう。


後腐れないように、金銭を与えて、会社は辞めていただく。


その手続きは私の仕事だ。


彼は、上司としてはパーフェクトだ。


けれど、異性としては最悪。


なのに・・・


嫌いになれない。。。


いつも、どこか寂しげで、誰にも見せない心の内側を垣間見る瞬間があるからか・・・


それとも、ただ傷つきたいだけなのか・・・。


ボロボロになったら、彼のことを嫌いになれるだろうか。


分からない。


今は、まだ―。
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