Kiss of a shock ~涙と~
運命というのは、何て悪戯なんだろうか。


健二は微笑んで額に手を当てた。


まさか、こんなふうに再会することになるとは夢にも思っていなかった。


できればーー


もう、二度と会いたくない奴で…


なのに、胸の奥に熱が灯るのを感じている。


馬鹿らしいことに、郷愁に似たものを感じているのだろうか。


それとも、忘れかけていた感情を揺り起こされたかー?


いずれにせよ、面白い。


何だって万理香となんか知り合いなのか、知らないが…あいつが気にしてる女だってなら…尚更。。


「良いんですか?」


健二はふいと顔を上げて、陣内を見やった。


「ああ、何?」
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