Kiss of a shock ~涙と~
直人は口ごもって女の顔から視線を逸らした。


健二と知り合いなのか―、と聞くまでもないはずだ。


あいつの車に乗って、あいつの用意したであろうドレスを着て、いつもはしないようなメイクをして・・・。


そんなことはどうでもいい。


どうでもいいと思っているのに、何故か胸が焼け付く。


「健二くんは、高校の同級生で・・・彼、尾山グループの次期社長さんなんです。」


直人は顔も上げずに、再び新しい煙草に火をつけて言った。


「知ってる。」


「ご存知なんですか?そうか、知り合いって感じでしたもんね。」


・・・


そう言われて、何と言えば良いのか分からなくなった。


知り合い・・・なんて、ものじゃない。


そういうんじゃない・・・。
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