Kiss of a shock ~涙と~
通されたベッドルームは、明らかに誰かが使ってる形跡の残ったベッドがひとつ、ある。


さっきの部屋がゲストルーム、なんだろうけど、どう見ても掃除してる感はなかった。


あんまり、お客様とか来ないおうちなのだろうか―。


そういえば―。


万理香は思い至って直人の顔を見遣った。


向こうでは・・・香港で逢った時には、意地悪な笑みをさんざ浮かべていたのを見たけど・・・こっちで逢った2回、直人は一度も笑っていない。


・・・笑顔になるような瞬間がなかったから―、なのかな。。


「大丈夫か?」


ハッと我に返って、万理香ははいと答えて頷いた。


「大丈夫です、えっと、ここ・・・?」


「そう、俺のベッドで悪いけど、ここしか綺麗なベッドないから。」


「そんなの悪いですよ。私、ソファーとかでも大丈夫です。」


「女をソファーなんかに寝かせられねぇよ。」


おお、紳士。


口は悪いけど、やっぱり優しい。


万理香は、じゃあと小さく言ってベッドを見遣った。


キングサイズっていうのだろうか。


やたら大きなベッド。


万理香が寝ても、余裕で直人も眠れそうだ。
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