Kiss of a shock ~涙と~
じいちゃんでさえも―。


もう、二度と、誰のことも信じない。


誰にも心を許さない。


そうしなかったから―、母は死んだんだ。


雨粒が頬を叩く中、健二は直人を睨んで言った。


「勉強も、スポーツも、友達だって多いもんな、お前はさ!」


直人は、陰った目をこちらに向ける。


傷つけているのだろうと、思うと、もう痛むはずのない胸にチクリと針が刺ささったように感じた。


けど、俺は、こいつを許さない。


許しちゃいけないんだ。


母さんの言葉と同じように、未来永劫、全てを憎まなくちゃいけないんだ。


・・・


ハッと直人の背の向こうを見た。


遠くからじいちゃんが声を上げて走ってくる、その姿が見えた。
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