Kiss of a shock ~涙と~
万理香は、バッと封筒を掴んでベンツに駆け寄りながら声をかけた。


「陣内さん、忘れてます!」


陣内は車の窓を開けて、あら、と答えた。


「まあ、危ない危ない。健二さんに怒られちゃうわ。」


そう言って窓から手を出した。


しかし、差し出した封筒を、受け取る、その手前で言葉を続けた。


「…なーんてね。」


は?


「あの…?」


車内に手を戻して笑って言う。


「返却は私は受け付けられませーん。」
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