紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
『……ならいいが。』
りとさんは何か言いたげな表情を
浮かべながらも再び箸を進めると
『…紅、軽くもう一杯貰えるか?』
と、ご飯をお代わりまでして
一粒残らず綺麗に平らげた後
『……ごちそうさま。
美味かった、紅。』
と、私が淹れた熱いほうじ茶を啜った。
「…私こそ…ごちそうさまでした。」
私も何とか食べ終えて
湯のみに淹れたほうじ茶を啜った時
『……紅……来月だな…。
克之(かつゆき)先生の命日。』
彼は突然口を開き
湯のみをテーブルに置き
私の顔を切なげにチラリと見た。
「………。」
彼の口からある男性の名前と
“命日”の言葉を聞いた瞬間
私の胸の奥に何かがズキンときた。
「………そっ、そう…ですね。
はっ…早いですね…。
も、もう…そ、そんな時期に
…なっ……なったんですね…。」
言葉が詰まった私に
『…もういつの間にか
“干支”をぐるりと
一周してしまったんだな…。』
カレンダーに視線を向けながら
彼はそう呟くと
私もチラリと今月と来月が
1ページに収まっているカレンダーに
視線を向けた。