紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
父子家庭になった私は
保育園から小学校へ入学しても
周囲から母がいない事を
あれやこれやと言われ続けていた。
保育園の時には
わからない言葉が並ぶ時もあったけど
小学生になればその言葉の意味が
何となくわかったり
決していい言葉ではないとわかると
何でこんなに言われるのかと
子どもながらに傷ついたりもした。
でも父は私の為に頑張ってくれている。
我儘言っちゃダメなんだと
私は父の前では涙を見せず
寂しい事も言わず
とにかく笑うようにして
周囲からの言葉に傷ついている事は
心に仕舞って隠していた。
そんな私に、りとさんは優しかった。
『…紅、迎えに来たぜ。』
彼は毎週金曜日になると
父の代わりに高校から直接
保育園まで迎えに来てくれたり
『…何か作ってやるよ。』
と、城咲家の冷蔵庫にあるもので
何かを作ってくれたり
叔母さん夫婦の料理屋さんから
おかずを貰ってきてくれたりして
夕食を食べさせてくれたり
父が帰宅するまで勉強を見てくれたりと
まるで兄のように世話を焼いてくれた。