彼は

————。


授業が終わり、クラスメイト達はいくつかのグループになって帰っていく。
私も早く帰ろうと鞄を手に取り、学校を出た。

家に帰りたくはない。
けれど私の帰る場所はあそこしかない。
そんな現実が苦痛で仕方が無かった。
普通の学生なら、学校から解放され、家に帰ることを苦痛と思うことはないのだろう。

けれど私はその“普通”とは掛け離れていた。
私は幼い頃から両親から虐待を受けていた。

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