君との距離は1メートル 【完】




実際の距離はたった1メートルだけど、



君との心の距離はどの位あるんだろう?





遠すぎず、近すぎず…そんな距離感がもどかしい。




その距離を縮めるのも、広げるのも全ては告白にかかってくる。




簡単に終わらせたくないんだ。




ちゃんと気持ちを告いたい。好きと伝えたい。




俺は壁にかかっているカレンダーを見上げる。





来月は、クリスマスがある…。


その日に告白をしようか。



初めてする告白は今からドキドキする。



どうなるか分からない、期待と不安の入り混じった不思議な気持ち。



杏奈は…、誠が好きなのかな?




ふと思い浮かぶ誠の顔。


杏奈を思い出す時は必ず誠の事も思い出す。
誠の杏奈を見る目。優しい目をしているんだ。



俺たちといる時とは明らかに違う。
恋をすると人の表情はこんなに変わるのか、と驚くぐらい違う。



もしかしたら俺もかもしれないけど。


< 176 / 384 >

この作品をシェア

pagetop