佐藤くんは甘くない
が、ぴくっと彼の肩が動く。
ちょうど私の席が窓の後ろから二番目だから、横直線にある佐藤くんが振り返る。
と、とりあえず愛想よく笑っとくべきだよね、これは。
にこーっと。
私が笑うと、佐藤くんはなんだかウン臭そうなものを見るような瞳で、思いっきり睨みつけてきた。
ナンデや!
顔は可愛いのにっ、なんで性格はあんなひん曲がってるの!可愛くない!
「ああ?どしたの、結城」
「えっ、別に何でもナイデス」
ぐぬぬと口を強く結んで、私はもう一度前へ向き直る。
「今日はこはるちゃん不機嫌?」
「そ、そんなことないよ!」
「ほんと?」
そういいながら上目づかいで、心配そうに見上げてくるひまりちゃんに私心ドキドキ胸胸どっきゅんラブハート!……ではなく。