佐藤くんは甘くない
日直の仕事が終わってないのは本当だし、嘘はついてないよね。
私はそんな言葉を言い聞かせながら、まだ捨てに行っていなかったゴミ箱を持ってゴミ捨て場へ向かった。
ちょうど帰ってくる頃には、もう教室には真ん中でぽつんと座っている佐藤くん以外はいなくて。
うむ。
何やらぼーっとしている様子で、上の空っぽい感じだった。
私はこっそり教室の後ろから入って、忍び足。
何を勉強したんだろ、気になるからちょっと脅かしてやろう。にしし。
にやにやするのを押さえながら、私は一歩、一歩、彼に近付いていく。そしてついに真後ろにきた。
そして、
「わ!!」
と思いっきり大きい声を出した。