佐藤くんは甘くない
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妹が、いた。
僕と、一つ違いの妹。
小さなころから体の弱い奴だった。
何かと熱を出すと、こじらせて何日も寝たままということも何度かあった。
そのせいで、妹は幼稚園にはなかなか行けず、いつも窓の外を見ては寂しそうな笑顔を浮かべるのだった。
お母さんによく、言われていた。
那月はお兄さんだから、柚月が困っていたら、悲しんでいたら、苦しんでいたら、そばにいてあげるのよ。手を握って、優しい言葉を掛けてあげなさい。
僕は、不思議に思って聞いてみたことがある。
手を握るだけで、痛くなくなるのと。
お母さんは、僕の大好きな温かな笑みを浮かべながら、頭を撫でてこう答えた。
大切な人がそばにいるだけで、それだけで幸せになれるのよ。と。