佐藤くんは甘くない



夕日の光が邪魔をして、佐藤くんの横顔がよく見ない。


けれど、その声は後悔に満ちていて、あの時の私とぴったりと重なる。




諦めるしか、ないのだろうか。

佐藤くんは一生、誰かに捨てられる恐怖と、取り残される不安で心をいっぱいにして、前を向くことすらできなくなる。


それだけしか、無いのだろうか。



一瞬、星屑のように何かが佐藤くんの頬で光る。───涙だ。






「……っっ、お母さんに、逢いたい……っ」









私は、ぎゅうっと手のひらを握った。


佐藤くんの声が、私の心に響き渡る。









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