17歳の遺書
そうだ。
手術の日にちを聞いていない。
聞きに行こう、立ち上がろうと布団をめくる。


『おはよう〜、検温しにきたよぉ
これ挟んでくれるー?』


看護師の人が来た。
はい、と返事をして体温計を受け取り脇に挟む。

あ、そうだ。ちょっと先生を呼んでもらおう。
あの、先生を呼んでもらえますか?
ちょっと聞きたいことがあるので。
いつもよりていねいに聞いた。


『分かった、呼んでくる。ここで待っててね。』
体温計を渡し、その看護師さんは部屋をでる。






....カツカツと音がする。

ガラガラ....
『おはよ、ゆうくん。どした??調子わるい??』

先生もとても綺麗だ。さすが悠希のお母さんだ、と少しの間黙っていると、

『なに?なんか悩み??』
笑顔で聞いて来た。

あ、そうだ。聞かないと
あまり心配はかけたくない。
出来るだけ明るく、でも真剣に聞く。
手術の日にちっていつ??



『まだ言ってなかったっけ?...やるとしたら9月10日かな。
ちょうどいい日にちだし、発作が起きな ければ大丈夫だから。』


そっか、分かった。ありがとおね。

明るく答えた。でも声とはうらはらに絶望的な気持ちが襲ってくる。

神様はなぜ、俺にこんなに意地悪なんだろう。
なぜ、俺にだけこんなにも........
辛い選択をさせるのだろう。

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