17歳の遺書
すっと、ゆうが目を開けた。
急いで涙を拭って、必死に笑顔を作る。
でもゆうはほおに残る涙を拭う。
酸素マスクを外して、ゆうがはっきりとした声で話す。
『泣くなって。』
『は、泣いてないから。』
と笑って返す。
でもこんな嘘はバレバレで...
『嘘つくなって。ねぇ、美帆ここきて。』
と狭いベットの空いている隙間をたたく。
『なに?』
といって布団に潜り込む。
あったかい。ゆうのあたたかさが染み込んでいるような感じ。
ゆうは、天井を見つめたまま、
『俺さ、まだ死にたくない。
まだまだやりたいことでいっぱいだし、もっともっと学校にも行きたいし、思いっきり走りたい。』
すっと息を吸うゆう。
『美帆と、どっか遠くにいって、たくさん写真をとって、手をつないでキスをして、いっぱい幸せを感じたい。どうしたらいい?
思ったよりもしんどいんだけど。
俺、これ受け入れらんねーわ。
美帆が笑うたびに、もっと生きてたいと思うんだよ。美帆が泣くたびに、その涙は俺じゃなきゃ拭えないって。』
『俺って欲張りかな?』
と言ってふっと笑うゆうはちょっと泣いている。
『そんな事、言わないで。
もっとデートも行きたいよ。写真も撮って、まだ壁どんもしてもらってないもん。なんで、ゆうはなんも悪くないのに、欲張りでもないでもないじゃん。』