17歳の遺書
やっと収まった涙を拭い、歩き出そうと顔を上げる。



私はこんなにも悲しいのに、
道には仲良く手を繋ぎ歩くカップルや、
今日の夕食の献立を聞いて喜ぶ子供とその母親。
その人たちはなにも悪くないのに、辛いことなんてないように笑うその笑顔が憎かった。



......私は最低だ。
あんなにゆうは私のことを考えてくれているのに。







このままでは家に帰れないと思い、家のすぐ隣にある公園のトイレで顔を洗う。

パシャパシャ。


鏡に自分の心の奥底の表情がうつしだされるかもしれないと怖くて顔を上げることが出来なかった。








< 26 / 181 >

この作品をシェア

pagetop