17歳の遺書
さっきの手紙に目をとおしビリビリと丁寧に便箋を開けていく。


手紙は二枚重ねになっている。










      優太君へ

初めまして、だよね。
いつも美帆がお世話になっています。

あの子とお付き合いをしてくれてありがとう。


優太君が美帆に告白してくれたのは、確か三年くらい前だよね。

ちょうど、お父さんが死んでしまって、私は泣いてばかりで、美帆にはたくさん迷惑をかけてしまいました。

それでも美帆は唯一楽しそうにあなたの話を毎日毎日していました。

あの日、とても嬉しそうに帰ってきた美帆をみて悲しみが吹き飛んだのを覚えています。

それからも毎日毎日楽しそうで今でもよく優太君の話をしてくれています。

まずはお礼をいいます。
美帆を支えてくれてどうもありがとう。私達の生きる希望になってくれたのも優太君です。本当にありがとう。



でも最近美帆が泣いて帰ってきました。美帆に聞いても教えてくれなさそうだったので、先生に聞きました。

手術をうけるんですね。
あの子が泣いていた理由がわかったってほっとしたのと同時に、あなたがとても心配で、この手紙を書きました。

きっとあなたは優しいから、美帆のこともちゃんと考えて手術をうけることに決めたんだと思います。
一人でたくさん悩み、たくさん辛い思いをしてきて、それでも決意をして、
すごくかっこいいなと思いました。

親の気持ちを正直に書きます。
将来のことを考えると、あの子には健康で丈夫で、しっかりとした人と結婚してほしいな。と思っていました。
私と同じような道は進んでほしくないからです。



けれど、こんなにも相手のことをぉもいやってあげられるあなたならきっと美帆を幸せにしてくれると信じて、
私の娘を託すことに決めました。

だから、絶対に負けないで、
必ず生きて、美帆のそばにずっといてあげて、

これだけが私からのお願いです。
美帆をこれからも幸せでいっぱいに包んであげてください。


        かな子より。
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