『土方大明神』



「「あっ……!!

あそこ……!!」」

手を繋ぐ近藤珠希の手が暗闇で揺れた方向に置き去りにされた懐中電灯の光が地面を照らす先に二階堂陽菜が暗くてよく見えないが漆黒の物体を枝で追い払っていた。



思わずその光景に浅葱誠の足は急ブレーキをかけたのと同時に手を繋いでいた近藤珠希は勢いあまり二階堂陽菜の前に降り出された。



「「「きゃああっ……!!」」」



土埃とともになんとか身体の重心を支え近藤珠希は二階堂陽菜の前に踊り出され闇から忍び寄る怪しげな影と対面した。
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