クールなキミとの恋模様


「きゃーっ!」


突然廊が騒がしくなり始めた。


「桐谷くーん、おはよう」


「今日もカッコいい〜!」


あたしを見てヒソヒソ言っていた女子たちの黄色い声が、そこら中に響き渡る。


他のクラスの女子で埋め尽くされたドアの隙間から颯爽と現れたのは、イヤホンを耳に突っ込んで女子の声を遮る桐谷だった。


「来たね、噂のカレが」



奈子が呟く。


相変わらず今日もド派手なメイクの奈子。


ツヤツヤの黒髪をコテで巻いて、綺麗な縦ロールが出来上がっている。



「わかりやすいよねぇ、これだけ騒がれると」



対する真央も、今日もいつものようにキュートな笑顔を見せてくれる。


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