方言男子に恋をした
「どしたん?訴えへんのか?」


こ、こいつ…!
私がすでに訴える気持ちが無くなりかけてるのを知ってわざと言ってるわ‼︎

その証拠に意地悪そうに笑ってるし!


「何もないですし、訴えません冗談です」


そう早口で告げると、佐久間課長は「そりゃ良かった」と言った。

何が良かったよ。
私は相当なダメージ受けちゃってるんですけど!

心の中で文句を言いながら、サラダを口に含んだ。


「それともう一つ質問やねんけど」

「何ですか」


相当なダメージを受けたわりには、焦ることもなく冷静に返事が出来た。

もう何度目か分からないくらい自分で自分を褒めていると、課長にジッと見られていることに気付いた。

その視線に心臓がバクバクと鳴る。
ドキドキとか、そんな可愛いものじゃない。

…普通にイケメンだし、そんな人にジッと見られると誰でも緊張するわよ。


「何で敬語なん?」

「…はい?」

「それと何で課長呼び?」


申し訳ありませんが、課長がおっしゃっていることが理解出来ません。

いや、上司に敬語使って課長呼びにするのっておかしい?

いいえ全くおかしくないでしょ。
逆に、上司にタメ口呼び捨ての方がおかしいって。
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