方言男子に恋をした
「仕事中ですから」

「時間外ではあるやん」

「じ、上司ではありませんか」

「上司ってゆうけど、年おんなじぐらいやろ?ゆうたら同期のようなもんやん」


ことごとく反論されてしまった。

…凄く悔しい。
しかも言ってること全てに納得が出来るから、余計に悔しい。

何も言うことが出来ず、黙った私に佐久間課長はニッコリと笑った。

うわー…嫌な予感しかないわ。

この人の笑顔は嫌なことの予兆でしかない。
昨日会って、今日には気付くことが出来た。


「やし、時間外は敬語と課長呼びは無し」

「え?ちょ、何勝手に決めているんですか」

「決めたらあかんの?」

「そ、そうではありませんけど…」


冷静に返せば、突っ込まれてまたも反論出来ない私がいた。

一方で決めたらあかんの?と、子供みたいに聞いてくる佐久間課長に、ちょっと胸キュンしてしまった私がいた。

いやだって。
関西弁ってだけでドキッとするのに、おもちゃをねだる子供みたいな聞き方だったのよ?

胸キュンしない女子がいるはずがない!
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