大好きな君へ。
 職種は事務。
其処まで操作してくれるらしい。
慣れないパソコンは係りの人にやってくれるから楽チンだと思った。


「あ、あのースポーツの各種インストラクターの資格を持っています。出来ればそれも調べたいのですが……」

僕はやっと本来の目的をいえたのだ。


「スポーツ用具販売店の事務でしたなら、此処にございますが……」

その人の指の下には、確かにそれがあった。


「印刷なされる場合は、足元のプリンターがございます」

言われて覗いてみたら、かなり大きなプリンターが設置されていた。

取り合えずそれを印刷することにした。


又やり直ししようと、学校表示箇所へバックさせたてみた。

やはり其処には中学の表示は無かった。




 「一応、市内でインストラクターの募集をお探ししてみましたが、市内には該当する物件はございませんでした」

僕がコンピューターと格闘している間に其処までやってくれていたのだ。


(市内でなくてもいいのかな? 住んでいるのが駅前だから)

そうも考えた。
でも満員電車の通勤はイヤだった。
我が儘だと思うけど、住み慣れた此処で就職したかったのだ。

一応体育の教師の勉強も同時進行でやっていた。
でも結夏が亡くなったことを知った今、遣る気を失っていたんだ。




 僕は今回ハローワークを訪れて、此処も新卒者の大きな助けになることを実感した。


ハローワークを運営している厚生労働省ではWEBでの応募も受け付けていると聞いた。


高校の就職情報が解禁されるのは七月一日。
就職試験が始まるのが九月半ばだそうだ。

だから今のうちに何とかしたいと思っている。

へたすりゃ此処も高校生で満杯になるかも知れないから。


開庁時間は八時半から午後五時十五分まで。

住民が二十万人を超える市や区では午後七時まで開いてはいるらしいけど、職種案内だけのようだ。

失業保険などの業務は平常時間内の対応になっているらしい。



 優香と一緒に暮らしたい。
将来的には結婚することも考えている。
でもそれにはまず生活する基盤作りが大切なのだ。

だから僕は職探しを頑張っている。

優柔不断な男の結論だけど……




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