世界が滅んでもという言葉は存在しない
恋なんて言われても愛まみえない
世界が滅んでもという言葉は存在しないと思う。

よく恋愛映画や少女漫画なんかに、『たとえ世界が滅んでも』という台詞が使われているが、そんな言葉を聞く度に、そんなことあるわけ無いだろ、なんて思ってしまうのだ。
それは、もしかしたら僕が愛されたことがないからかもしれない。恋をしたことがないからかもしれない。
けれど、“永遠”なんてものが存在しない以上“世界が滅んでも”なんて言葉を人間が簡単に口にするのは如何なものかと思うのだ。
それは、僕だって世界なんて滅べばいいと思う。人間が、気の遠くなるような長い時間をかけて創りあげたこの世界が、滅んでいく様を見てみたいと思う。人間が居なくなった世界は、きっと酷く幻想的で、この上なく美しいものなのだろうと、そんなことを考えてしまう程度には、“世界が滅ぶ”という言葉に魅力を感じている。
だがどうしても、それを恋愛的に考えることが出来ない。否、恋愛について考えることすら出来ない。

たった数十年程しか生きられない人間が、役目を終え終焉を迎えた世界にナニカの想いを残すことなど、きっと不可能なのだ。
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