七色マーブル【短編集】
秘密裏にカーラのクローンを作ったのだ。


クローンのカーラが生まれた日に、オリジナルのカーラは息を引き取った。だから彼は確信した。


この子は遺伝子上だけでなく、魂をも転生したカーラの生まれ変わりである、と。


これでようやく表向きは違えども、兄弟仲良く暮らしてゆける、と。



それから17年、まさかこんな日々が来るとは雀の涙ほどにも思わなかった。


これは神を冒涜した事による罰なのだろうか?


毎日苦しくて胸が締め付けられる。





しかし彼の胸に光る十字架は、決して彼を救う事はなかった。


何故ならその十字架は、彼を張り付けの刑に処する為に存在するのだから。









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