ノリで漁師やってみた
漁三日目
2011.1・20(木) 出港7日目 漁3日目 AM4:30

だんだんと要領もよくなってきて、起きると同時に仕掛けを投入。

だいたい2時間ぐらいで仕掛けを入れる作業が終了するので、朝の8時~11時位まではゆっくりとコーヒーを飲んだりタバコを吸ったりと、ようやく気が抜ける時間が出来てきました。


しかし、ここまで荒天が続いていた太平洋が、この日は初めて穏やかな顔を見せてくれました。



無風・晴天・ベタ凪と最高のコンディション!



仕掛けを上げるまでの休憩中、エンジンを止めて、太平洋を漂いながら、海を眺めていたんですが、見渡す限りの大海原・水平線と空の境界がわからなくなるほどの蒼い世界。


そして、今まで体験したことのない静寂。



静か過ぎて、耳鳴りで耳が痛くなる、と言う変な体験もしましたが、この日の海は一生忘れないと思います。



ただ、「嵐の前の静けさ」とはよく言ったもので、この日を境にしばらく大荒れな日が続きます。


いつの間にか眠りに落ちてしまい、オーナーが途中まで仕掛けを上げていましたが、14時ごろから選手交代。


そこから、夜までひたすらつれない時間帯が続き、気がつくと22時前。


残りの旗3本を残して、釣り上げたイカはここまで3匹・・・。



20時間ほど仕事して、ここまで成果が上がらないと、若干へこみます(笑)



まぁ、これも漁の醍醐味だろうと言い聞かせ、最後の旗を上げようとすると、久々にイカの感触!


ワイヤーを上げてみると、見事に3匹ゲット!!


2匹目まで順調に引き上げて、3匹目を船に手繰り寄せてるときに、オーナーが一言。



「あ、サメいるから」



・・・(ー△ー;)エッ、マジ?!!!





水面を見てみると、漆黒の海面に、おなじみの黒い背ビレがちらほら。


しかも、でけぇ!!



いやぁ~、水に手入れたくないなぁ~。。。

と、思いつつも背中に刺さるオーナーの氷の視線・・・。


サメさん、イカ食いに来てっから、むしろ触れる距離。


もう、ぱくってやられたら、病院だろうな~。太平洋だから、ドクターヘリか?
とか思いつつ、意を決して体の左半分を船外に乗り出して、イカを捕まえたんですが、サメさん、俺の左手の真下をスゥー、っと華麗にスルー。(゚д゚)ァラヤダ


いや~、確実に寿命が縮みました・・・。


けど、無事イカをゲットして、この日は終了。


海はまだまだ穏やかで、ふと空を見上げるときれいな満月が。



そういえば、大潮だったな~、などと考えながら、月明かりの下でタバコをふか
し、大昔の人も同じ夜空を見てたんだろうな~、と考えるとなんだか感慨深いものがありました。


昼は青の世界、夜は漆黒の中にきらめく月光と星の瞬きの世界。



特に夜は白と黒のコントラストがとても綺麗で、クリスチャン・ラッセンの絵画の中に迷い込んだような、なんともいえない高揚感がありました。


この日は結局、6匹止まり。


頭の中で、モンゴル800の「月明かりの下で」が流れる中就寝しました。


ようやく折り返しですが、明日は見事に大荒れのため、漁は出来ず・・。

そして、現在地は奄美大島から真東に320マイル・沖縄本島までは440マイルとよくわからないポジショニングですが、確実に鹿児島のほうが近くなってます(笑)

それではまた次回。
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