神様修行はじめます! 其の四

絹糸の子どもの子猫ちゃんだ。


しま子の手の中からチョコンと顔を覗かせて、ちっちゃな声で鳴いている。



うわぁ、久しぶりだね。相変わらず、すっごく可愛い。


そっか。子猫ちゃんは治癒の術の使い手だったっけ。


探して連れて来てくれたんだね? しま子、えらい!


褒められて嬉しそうなしま子から、子猫ちゃんをそっと受け取ってお岩さんに渡した。


「お岩さん、子猫ちゃんだよ」


「まぁパールちゃん、来てくれたんですのね。しま子、嬉しいですわ。ありがとう」


お岩さんが、ヒザの上に乗った子猫ちゃんを優しく撫でた。



子猫ちゃんは、親譲りの金色の目をクリクリさせて、お岩さんを見上げる。


そして彼女の腕のあたりの匂いをフンフン嗅ぎ始めた。


さっそくケガに反応しているんだ。さすが優秀だね。


―― ぽおぉぉぉ・・・


子猫ちゃんの鼻先から、透き通る白い柔らかな治癒の光が放たれた時・・・



「・・・・・・にー?」


突然、子猫ちゃんがピクッと顔を上げた。


そして落ち着かない様子で宙を見上げて、ソワソワし始める。


「にー! にーにーにー!」


「子猫ちゃん? どうかしたの?」


「小娘ー? 小娘どこじゃー?」


・・・・・・え? この声は・・・。


「小娘ー。 これ、聞いておるなら返事をせんかー」


やっぱり絹糸の声だ! 

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