神様修行はじめます! 其の四

遠ざかるその姿を見送っていたら、なんだかこっちまで寂しくなっちゃった。


「行ってしまいましたわね・・・」


「・・・だな。さあ、オレ達も先へ進もうぜ」


「ちょいと赤鬼、あんた、ちゃんと隠れるんだよ? 分かってるのかい?」


「うああぁ~~」


コクコクうなづくしま子。


その場にヒザを抱えてチョコンと座り込み、くるんっと背中を丸めて顔を隠した。


・・・・・・あの、しま子・・・・・・。


それ、全然隠れてないんですけど・・・・・・。


「・・・全然理解してねえな。こいつ」


「やっぱり連れて行こうよぉ! 置いてくのすごく心配だよぉぉ!」


「はぁ・・・素直だけどバカな子だねぇ。この赤鬼は」


「しま子、そうじゃありませんわ。そこの大きな岩陰に隠れるのですわ」


言われてスクッと立ち上がったしま子が、トコトコ大岩に近寄る。


そして陰に身を隠し、ヒョイっと目だけを端から出した。


「うあ?」


「そうそう、それで良いのですわ」


「いいか? そこから一歩も動くなよ?」


「うあうあ騒ぐんじゃないよ? 見つかったら捕まって袋叩きにされっちまうからね?」


「うあうあ~~」

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