神様修行はじめます! 其の四

戌亥があたしとお岩さんを指さした。


「この女達だ! 向こう側の、よそ者達だ!」


「そうだそうだ!」


「このよそ者達も逃がすな!」


島の人たちがワッと駆け寄ってきて、あたしとお岩さんを押さえつけた。


あっという間に何本もの手が伸びてくる。


腕を後ろ手にギリリとねじ上げられ、痛みにのけ反って悲鳴を上げた。


「おとなしくしろ!」


「その娘は危険だぞ! 気を付けろ!」


髪の毛を強くつかまれ、頭をガッと思い切り地面に押し付けられる。


隣からお岩さんの苦痛の声が聞こえた。


「お、お岩さん! やめてぇ! お岩さんに乱暴しないで!」


「お前らやめろぉぉーーー!!」


戌亥に飛びかかる浄火を、島の人たちが寄ってたかって強引に引き剥がす。


「浄火、お前こそやめろ!」


「里緒! 里緒を放せーーー!」


「しかたない! おい、浄火も押さえ付けるぞ!」


絶体絶命。その状況で・・・・・・


「うがあああぁぁぁーーーーー!」


突然、しま子の咆哮が轟いた。


―― ブチブチィィ・・・!


しま子は体を縛り付けていたロープを、難なく引き千切ってしまう。


島の人たちがヒッと息を飲んだ。

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