神様修行はじめます! 其の四
「オレが神の力に目覚めたのは、この異形のおかげだってのか?」
浄火が、たまりかねた声を出す。
死にかけたマンモスは水を飲み、異形の力で復活した。
それと同じ現象が浄火の体内で起こったんだ。
浄火も神の一族の末裔なんだから、その因子は持っている。
死んだように眠り続ける因子が、この異形の力で爆発的に活性化されたんだ。
たぶん浄火の中では、滅火の一族の因子が一番多く潜在していたんだ。
「それで・・・この水を飲んだ者は、今後どうなる?」
深刻な声で浄火が絹糸に質問する。
「寄生って事は、オレは何かを搾取されてるんだろ?」
全員がその質問の答えを、かたずを飲んで待った。
あたしも緊張しながら絹糸の口元を見つめる。
そうだ。それが一番心配なんだよ。
寄生虫は自分が生きるために、宿主の体内で養分を吸収し続ける。
きっと浄火も、体内の異形に奪われ続けているはずなんだ。
・・・・・・なにを?
まさか、命そのものを奪われ続けているとか!?
まさかまさか、浄火、もうすぐ死んじゃうとか、そんなことは・・・!
「なんであれ、これが普通の共生関係であれば、宿主を殺すほど奪い続ける事はない。 が・・・」
絹糸の重々しい答えに、余計に不安感が深まった。