神様修行はじめます! 其の四
「いったい何が、あったの・・・?」
「抜け殻のように暮らしていた信子に、あの男から一報が届いた」
「連絡があったの? どんな?」
「子独楽に会わせてやる、という内容の手紙だった」
今度、内密に島を訪れる。
その際に子独楽も連れて来るというのだ。
・・・意外だったよ。あの非道な男に、そんな慈悲があろうとは。
あの男とて、一応は人の親だ。さすがに母子の間の情ぐらいは理解できるのだろう。
私は単純にそう思った。
信子は躍り上がって喜んだよ。
子どものようにはしゃぐ様子は、見ているこちらが思わず笑ってしまうほど。
毎日毎日、一日過ぎては
『またこれで一日、子独楽に会える日が近づいた』
そうやって指折り数えて・・・ついに迎えた約束の日。
深夜の海を、人目を避けた船がゆっくり沖から近づいてくる。
信子はもう、瞬きする間も惜しんで船を見つめていた。
ああ、早く、早く! もうすぐ会える!
『子独楽! 子独楽! 子・・・・・・』
娘の名を呼び続けていた信子の声が・・・
ピタリと、止んだ。