神様修行はじめます! 其の四

同族の・・・能力を吸い取り、奪う?


自分が生きるために・・・?


「ふうむ。あの寄生の異形は、人間から神の能力を奪っておったのか・・・」


絹糸が納得したように言った。


本来ならあの異形は、マンモスに寄生するもの。


それに寄生された人間が、巨大マンモスと同量分のエネルギーを体内から奪われるとなると・・・


とても、宿主ひとり分程度じゃまかないきれない。


もっと欲しい。もっともっと、もっと!


だから・・・・・・


宿主は周囲からも、自分と同じ能力を吸い取っているんだ。不足分を補うために。


無意識に、体内に宿った異形の力によって。


どんな方法かは分からないけど。たぶん、皮膚接触とか。


・・・・・・皮膚接触?


(あ・・・・・・)


あたしは、思い出した。権田原で浄火と散歩した時。


あたし達ずっと手を繋いで・・・・・・。


「その時ようやく、私はあの水のもたらす真の意味を悟ったのだ」


長さんの声が、よく聞こえない。


あたしの耳は、自分の心臓がたてる嫌な音でいっぱいだから。


手に薄っすらと冷や汗をかきながら、あたしの意識は隣の人物に集中している。


彼を見ることは、できない。


そんな勇気は、とても・・・。


ただ視界の端に、浄火の着物の袖口が。


そして、ぶるぶる震えながら強く握りしめられるこぶしが、見えた。

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