神様修行はじめます! 其の四
『さて・・・これで最後じゃな』
父親は、娘の顔を上向かせたままツボを近づけた。
『ど・・・して・・・?』
娘は、最期に父親に問いかける。
どうしても
どうしても
どうしても理解できない事を。
なぜ・・・・・・
なぜこんな仕打ちを、自分に与えるの?
お父さん・・・・・・?
その悲しい問いかけに、父親は娘の目を見て、はっきりと答えた。
『ゴミを捨てるのに理由など無い』
『・・・・・・・・・・・・』
その言葉を耳に
子独楽は、完全に意識を喪失した。
父親が信子に見せつける様に、ツボを子独楽の口へ近づける。
『さあ信子よ、どうする? しゃべらねば死ぬぞ? 今度こそ死ぬぞ?』
放心状態の信子は、黙ってその光景を見つめていた。
『死ぬぞ? ほうれ・・・ほうれ』
あぁ、娘の口に・・・・・・
ツボが・・・
水が・・・
あああぁぁ・・・・・・・・・・・・。
糸が切れたように、信子の両肩が崩れ落ちる。
そして、ポツリと・・・・・・
『わかり、まし、た・・・・・・』
信子は
娘のために、世界を売った。