神様修行はじめます! 其の四

「ねえ、寄生した異形ってさ、何とかして体外に出せないの?」


「私が知る限りでは、あの異形から逃れるには宿主が死ぬしかない」


長さんのシビアな答えに、マロさんの顔色が変わった。


全てを吸い尽くされてしまった宿主が死ねば、もうその体は役に立たない。


そうなってようやく、異形は体から出てくる。


じゃあ・・・・・・塔子さんはどうなるの?


浄火は? あたしはどうなるの?


天内の一族は、あたししかいない。


あたしの力を吸い尽くしてしまえば、浄火は干からびて死ぬだけ?


あたしは浄火に死ぬまで力を奪われ続け、もう二度と滅火の力を発動できないの?


・・・・・・そんなの嫌だよ!


「門川君や主さんの力で、治療できないかな!?」


「未知の異形だからな。対処法が分からない」


門川君は口元に手を当て、真剣に考え込んでいる。


主さんも難しい顔で首をかしげた。


「あたしの退魔の力が役立つかもしれないけど、ここの異形は普通の魔物とは違うからねぇ」


じ、じゃあさ! ホラ、駆虫剤って言ったっけ!? 


虫下しの薬! ああいうの飲んだらいいんじゃないかな!?


うちの近所の犬が飲んだ時は、すっごい劇的に効いたんだけど!


「マジで効果的なの! いっぱい出てきたんだよ! アレと一緒にもう、大量に!」


「天内君」


「アレの表面にね、こう、細長いのがね、こんな感じにウニョウニョーっと!」


「天内君」


「なに!?」


「やめてくれ」


「・・・・・・は、はい。ごめんなさい」


し、しまった。つい無我夢中で・・・。

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