神様修行はじめます! 其の四

・・・・・・・・・・・・!


例えようのない喜びがあたしの体を駆け巡った。


頬がカッと火照って、全身が甘く痺れる。


『唯一無二。永劫の片羽』


まさにその、栄誉な言葉。


噛みしめるたび繰り返す、麻薬のような高揚感。


あたしは気が遠くなるほどの幸福に酔いしれ、溺れた。


(あたしが、あなたの・・・唯一永劫の片羽)


あぁ・・・なんて・・・・・・


なんて美しい言葉を、このあたしに捧げてくれるんだろう!


もう、もうこれ以上なにも要らない!


無我夢中で浄火の横をすり抜け、彼の元へ駆け寄ろうとした。


「里緒!?」

浄火の悲痛な声が聞こえたけれど、心の中には届かなかった。


あたしの心は全て、抗いようも無く門川永久に支配されていたから。


良いも、悪いも。


罪悪も、何もかも。


もう、いい! もうあたしの心は・・・!


―― グイッ!


浄火の横をすり抜ける瞬間、あたしは強く手首をつかまれた。


そしてあっと思う間もなく、浄火の胸の中に捕えらてしまった。

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