泣きたい夜には…~Hitomi~



慎吾に抱きしめられ、


「お疲れ、よく頑張ったな」


優しくて、温かい言葉に思わず笑顔になる。


「うん、だから頑張ったご褒美、頂戴!」


なんて、おねだりをしてしまう。


慎吾はわざとらしく首を傾げて、


「ご褒美……って?」


わかっているくせにとぼけるんだから。


「もぉぉぉぉ!意地悪!!!!」


膨れる私を慎吾はクスクス笑いながら腕の中に閉じ込める。


「慎吾の腕の中にいるとホッとする……すごく癒される」


心地良くて、慎吾の胸に顔を埋め、目を閉じた。


「俺はいつもひとみの笑顔に癒されているよ」


慎吾は耳元で囁くと、腕の中の私をベッドに沈めた。


「もっと癒してあげる」


慎吾の首に腕を回し、唇を重ね合わせた。


深くて


激しい


それでいて、甘い…


ふたりだけの甘い甘い時間の始まり。



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