泣きたい夜には…～Hitomi～

紗英ちゃん、


安本紗英ちゃんは、小学４年生でもうすぐ１０歳。


今年の２月に扁桃腺炎で４０度近い高熱が続き、開業医からの紹介で小児科外来を受診。


診察をしたドクターの話では、


入院もしくは毎日通院して点滴を受けるという２つの選択肢を提示したところ、紗英ちゃんは、「早く学校に行きたいから」と言って、自ら入院を選んだという。


入院中は私が担当医となり、紗英ちゃんの治療を行った。


そして１週間後、元気に退院した。


紗英ちゃんは赤ちゃんの頃から扁桃腺炎による高熱を繰り返し発症していることから扁桃腺摘出を勧め、今に至った。


扁桃腺摘出手術は耳鼻咽喉科の領域なので担当にはならなかったけれど、入院後、時折彼女の様子を見に病室を訪れていた。


病室に行くと、キャッキャッと楽しそうな声が聞こえて来る。



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