泣きたい夜には…~Hitomi~



「さっき、ここに来る途中で流れ星を見た」


慎吾の言葉に、


「えっ?本当に?3つお願いできた?」


すごい!


私なんて、一度も見たことがないよ。


慎吾は首を振って、


「俺が今叶えたい願いはひとつだけ……ひとつだけお願いした」


欲張りな私だったら3つのところでも最低10こはお願いしてしまうだろう。


真面目なのか、堅実なのか……


だけど、そこが慎吾のいいところ。


「ふぅん……でも、何だろう?慎吾の願いって」


慎吾のたったひとつの願いって、


何だろう?


首を傾げる私に月明かりの中の慎吾は真剣な眼差しを向けた。


そして……


「いつまでも、俺の隣にひとみがいますように……


浅倉ひとみさん、俺と…いや、私と結婚してください」



.
< 249 / 286 >

この作品をシェア

pagetop