泣きたい夜には…~Hitomi~



それから1年が経ち、


私は慎吾と永遠の愛を誓った。


家族や友人達が見守る中、


教会で聖書の言葉を聞き、賛美歌を歌った。


背後ですすり泣く小野塚先生には困ったけれど……。


指輪の交換では、


「慎吾、違う……左手だってば!」


「あ……。」


緊張のあまり、慎吾は私の右手を取ってしまったというハプニングもあったけれど、何とか無事に指輪の交換も終わり、


「誓いのキスを」


神父の言葉に、慎吾がベールを上げた。


長身にタキシードが良く似合いすぎて、素敵すぎて慎吾から目が離せない。


「綺麗だ、ひとみ」


耳元で囁いた慎吾の言葉に頬が緩んで、


「慎吾もカッコいいよ」


そっと正直な気持ちを返す。


穏やかな笑みを浮かべる慎吾と最高に幸せなキスを交わした……



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