恋架け橋で約束を
第7章 7月7日
いても立ってもいられず
目を覚ますと、部屋は明るく、朝の光が私の近くにも差し込んできていた。
孝宏君?!
「おはよう」
私が身体を動かした瞬間、孝宏君の声がした。
一瞬、びっくり。
でも、すぐに安堵に変わった。
よかった……隣にいてくれた……。
ずっと、寝付いた体勢のまま、いてくれたみたい。
一晩中、添い寝してもらえたんだ……。
普段はここで喜べるはずなのに、不吉な夢のせいか、心から笑えなかった。
「さてと、そろそろ朝の支度を始めるね」
「あ、ごめんね。時間を取らせちゃって」
「謝らなくてもいいよ。僕は佐那ちゃんに謝ってもらうようなことを、された覚えは一度もないから。次、佐那ちゃんが謝ってきたら、罰としてキスするよ」
「全然、罰になってな~い。それなら、わざと謝っちゃうよ」
「ははは。調子、出てきた? やっぱり佐那ちゃんは、元気でいてくれないと。僕も寂しくなるよ」
元気付けてくれたんだ。
「うん、元気出てきたよ。ありがとう!」
そして、孝宏君は準備のために、私の部屋を出ていった。
そっか、今日からまた雪乃さんもいないんだ。
すぐ寂しくなる私……相当な寂しがり屋なのかなぁと自分でも思う。
朝食の後、孝宏君はいつもどおり学校へ出発した。
ただ、今までと違って、頭を撫でたり、抱きしめたりしてくれてからの出発だった。
もちろん、おばあさんの見てないところで、だけど。
今日は特に、いつもよりも寂しい私。
なので、リビングにて、おばあさんと一緒におしゃべりする時間が、いつもよりも長かった。
そういえば、まだ警察からは何の音沙汰もないらしい。
気に病んでもどうしようもないけど……でも、不安に拍車がかかる。
孝宏君、まだかなぁ。
まだ午前中で、それも、十一時にすらなっていない段階で、孝宏君の帰りが待ち遠しくなっていた。
ああ、私も一緒に授業を受けられたらいいのに……。
今日は天文部の集会出席のために、帰りがいつもより一時間以上遅いと聞かされていたから、なおさらだった。
このまま、午後五時ぐらいまで会えないなんて……。
そのとき、不意に思いついたことがあった。
そうだ!
校門の近くで待っていれば、一緒に帰れる!
制服も着ないでじっと待っているところを、他の人に見られたら不審がられそうだけど……。
それに、恥ずかしいから堂々と手を繋いで歩けないだろうけど……それは仕方ないとして。
それでも、隣を歩いて家に帰るだけでも、私にとっては幸せだから。
とにかく、たとえ一分一秒でも、孝宏君と長く一緒にいたい。
そんなことを考えていると、ますます五時が待ち遠しく、時間が経つのが遅く感じられた。
お昼ご飯を食べた後も、全く落ち着けなかった。
会いたい気持ちばかり募って、手にした本にも全く集中できない。
午後四時過ぎ、もういてもたってもいられなくなった私は、校門前へ向かうことにして、おばあさんに一言告げてから、家を出た。
見上げると、空はどんよりと曇っていた。
一雨来てもおかしくないほどに。
とりあえず、二人分の傘を持っていくことにした。
孝宏君?!
「おはよう」
私が身体を動かした瞬間、孝宏君の声がした。
一瞬、びっくり。
でも、すぐに安堵に変わった。
よかった……隣にいてくれた……。
ずっと、寝付いた体勢のまま、いてくれたみたい。
一晩中、添い寝してもらえたんだ……。
普段はここで喜べるはずなのに、不吉な夢のせいか、心から笑えなかった。
「さてと、そろそろ朝の支度を始めるね」
「あ、ごめんね。時間を取らせちゃって」
「謝らなくてもいいよ。僕は佐那ちゃんに謝ってもらうようなことを、された覚えは一度もないから。次、佐那ちゃんが謝ってきたら、罰としてキスするよ」
「全然、罰になってな~い。それなら、わざと謝っちゃうよ」
「ははは。調子、出てきた? やっぱり佐那ちゃんは、元気でいてくれないと。僕も寂しくなるよ」
元気付けてくれたんだ。
「うん、元気出てきたよ。ありがとう!」
そして、孝宏君は準備のために、私の部屋を出ていった。
そっか、今日からまた雪乃さんもいないんだ。
すぐ寂しくなる私……相当な寂しがり屋なのかなぁと自分でも思う。
朝食の後、孝宏君はいつもどおり学校へ出発した。
ただ、今までと違って、頭を撫でたり、抱きしめたりしてくれてからの出発だった。
もちろん、おばあさんの見てないところで、だけど。
今日は特に、いつもよりも寂しい私。
なので、リビングにて、おばあさんと一緒におしゃべりする時間が、いつもよりも長かった。
そういえば、まだ警察からは何の音沙汰もないらしい。
気に病んでもどうしようもないけど……でも、不安に拍車がかかる。
孝宏君、まだかなぁ。
まだ午前中で、それも、十一時にすらなっていない段階で、孝宏君の帰りが待ち遠しくなっていた。
ああ、私も一緒に授業を受けられたらいいのに……。
今日は天文部の集会出席のために、帰りがいつもより一時間以上遅いと聞かされていたから、なおさらだった。
このまま、午後五時ぐらいまで会えないなんて……。
そのとき、不意に思いついたことがあった。
そうだ!
校門の近くで待っていれば、一緒に帰れる!
制服も着ないでじっと待っているところを、他の人に見られたら不審がられそうだけど……。
それに、恥ずかしいから堂々と手を繋いで歩けないだろうけど……それは仕方ないとして。
それでも、隣を歩いて家に帰るだけでも、私にとっては幸せだから。
とにかく、たとえ一分一秒でも、孝宏君と長く一緒にいたい。
そんなことを考えていると、ますます五時が待ち遠しく、時間が経つのが遅く感じられた。
お昼ご飯を食べた後も、全く落ち着けなかった。
会いたい気持ちばかり募って、手にした本にも全く集中できない。
午後四時過ぎ、もういてもたってもいられなくなった私は、校門前へ向かうことにして、おばあさんに一言告げてから、家を出た。
見上げると、空はどんよりと曇っていた。
一雨来てもおかしくないほどに。
とりあえず、二人分の傘を持っていくことにした。