フェイント王子たち
高橋さんの後を付いてやって来た次の物件は、25階建てのマンションで、エントランスも広くて綺麗。25階建てと言っても予算の関係で私が見に行くのは、エレベーターに乗り込んでわずか10秒。
「はい、3階に着きましたよ」
そう、階段でもまあまあいける高さの3階。
高橋さんが鍵を開けて、ドアを引く。
「はい、どうぞ」
「お邪魔します」
高橋さんの真摯な笑顔に促され、先に中に入る。さっきのアパートよりは広い玄関に靴を脱いで、入口に用意してあったスリッパに履き替えて上がり込む。