フェイント王子たち

丁度赤信号で停まったので、高橋さんが、こちらを向いてニッコリ微笑んだ。

「あ〜、でも早く決めないと姉に叱られてしまうので、どちらかに決めようと思います」

「そうですか。それは残念だなぁ」

「残念?」

「ええ。もう一回ぐらい有栖さんとドライブしたかったんですけどね」

「うっ…。もう、高橋さん、あんまりからかわないで下さいよぉ」

って、言うのが、精一杯。本気かどうかなんて聞けないよ〜。

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