フェイント王子たち

「…今更、恥ずかしがっても遅いよ」

「…」

「大丈夫だよ。先輩は絶対、アリおばの運命の相手じゃないから」

「…」

…わかってるわよ、それくらい。

「あ〜、美味しかった。じゃ、アリおば、10時30分に、玄関集合ね」

「了解」

大吾はケーキを平らげると、部屋に戻って行った。結局、どこに行くのかわかんないけど、10時30分までまだ充分時間があるから、もうちょっと寝ちゃおうかなぁ。

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