フェイント王子たち

「高橋さんなんだって?」

と、やっと腕を離してくれた大吾が聞いてきた。

「旅行券が当たったから、今から持って来るって…」

「高橋って、誰だよ」

って真顔で川合。

「アパート借りる時にお世話になった不動産屋さん」

「ふ〜ん」

「ジントニック、もう1杯作りましょうか?」

って、川合の空になったグラスを見て昭次さんが言った。

「ああ、お願いします」

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